沖縄でよくある外壁の種類①モルタル

かつて木造に赤瓦をのせていた沖縄の民家は、米軍が持ち込んだコンクリート技術によって今ではほとんどが鉄筋コンクリート造になりました。

今回はそんな沖縄の住宅で採用されている外壁の種類についてご紹介していきます。

モルタルとは

モルタルとは、セメント1に対して砂を3の割合で配合し、水を加えて練り込んだものを指します。セメントは石灰岩や石こうを焼いて粉にしたものです。

内地では防水シートや下地板などを重ねた上に「ラス」と呼ばれる金属製の網を張って、その上にモルタルを塗って壁を仕上げますが、沖縄ではブロックで壁を作り、その上をモルタルで仕上げる方法が主流です。

モルタルで壁を仕上げるメリット

モルタルは、セメント・砂・水の3つの原料からできていますが、そのすべてが不燃性のため、耐火性に非常に優れていることが特徴です。また化学物質を含まないため、万一火災にあったとしても、有毒ガスを発生しません。

さらにモルタルで仕上げた壁は丈夫なため、台風などで物が飛んできたとしても、壁に傷がつきにくくなります。

またモルタルは一般的に灰色ですが、実はカラーバリエーションも豊富です。内地では色のついたモルタルを職人がコテを操ることで、さまざまなデザインを楽しむ仕上げもあります。

しかし沖縄では、モルタルは表面を平らに均一にならし、その上にペンキを吹き付けて壁を仕上げることが一般的です。サイディングなどのボードと異なり、モルタルで仕上げた壁は境目がないため美しく仕上がります。

モルタルで壁を仕上げるデメリット

モルタルの外壁で最初に挙げられるデメリットは、クラックが入りやすい、つまりひび割れがしやすいことです。経年劣化だけではなく、乾燥や地震、あるいは地盤が沈んでしまうことにより壁にヒビが入ります。

またモルタルで仕上げた壁は、太陽の紫外線によって防水性が失われていき、チョークの粉のようなものがつく「チョーキング」と呼ばれる症状が発生します。

さらに劣化が進むと、塗りつけたモルタルが浮いたり剥がれたりしてくることもあります。こうなってしまうと建物に雨水が浸入し、漏水の可能性が高くなるため早期にメンテナンスが必要です。

まとめ

沖縄でよく見られるモルタルで仕上げた外壁は、紫外線が強く、また台風が多い沖縄の気候にあった外壁として民家や集合住宅でごく一般的に採用されています。