沖縄に平らな屋根が多いのはなぜ?メリットやデメリットも解説!

沖縄と言えば、青い空に青く透き通る海、赤い瓦屋根のイメージがありますよね。ですが、実際には、赤い瓦屋根よりも陸屋根(りくやね、ろくやね)という平らな屋根がたくさんあります。ちなみに、陸をろくと読むのは、水平という意味があるからです。

この記事では、沖縄に陸屋根が多い理由や、陸屋根のメリットとデメリットについて紹介します。

沖縄に陸屋根が多い理由

沖縄に陸屋根が多い理由はいくつかあります。

第二次世界大戦で木材の入手が難しくなったから

沖縄に陸屋根が多くなるきっかけになったのは、第二次世界大戦で沖縄戦と呼ばれた地上戦です。この時、アメリカ軍に建物や山林も破壊されたことで、戦後に家を建てるための木材の入手が難しくなったのです。

鉄筋コンクリートの技術が入ってきたから

そして、沖縄に軍事基地を造っていたアメリカ軍により鉄筋コンクリートの技術が入ってきたことで、一般的に鉄筋コンクリートの建築が広がりました。

陸屋根はビルやマンションで主流ですが、現在の沖縄では、約90%以上が鉄筋コンクリートの家屋で陸屋根です。

沖縄は台風が多い場所だから

年間に数回台風が通る沖縄県では、台風で木造家屋の被害が多かったこともあり、災害に強い鉄筋コンクリートの家屋が主流になりました。

建物の高さが高いほど、台風や地震の影響を受けやすいものです。沖縄では、平屋の中でもあまり高くなく、建物全体の重心が低いので、災害に強い家と言えます。

赤い瓦屋根は費用がかかるから

赤い瓦は、沖縄でしか採れない粘土を焼いて作りますが、焼くことで赤くなる性質を持っています。釉薬をかけない素焼きの瓦なので吸水性が高く、台風などで雨が降ると雨水を吸って重たくなるので木造家屋が飛ばされにくくなっています。台風通過後の晴天時は、気温が急上昇するので瓦の水分が蒸発して気化熱となり涼しくしてくれます。沖縄の風土や気候に合った瓦と言えます。

この赤い瓦屋根の木造家屋を建てようとすると、赤瓦や漆喰壁などの費用が高額になってしまうのも、沖縄に陸屋根が多くなった理由でしょう。昔からある赤い瓦屋根の平屋の数が少なくなったのはとても残念です。

陸屋根のメリット

陸屋根のメリットについて紹介していきます。

場所を有効活用できる

陸屋根には屋根裏がないので、室内が広々と使えますし、自由にデザインできることがメリットです。

陸屋根は、平らな屋根なので、屋上やバルコニーとして利用できます。洗濯物を干したりガーデニングを楽しんだりできます。天気の良い日は、家族や友人とバーベキューをするのもおすすめです。

場所によっては、太陽光発電パネルを設置することもできます。家の電力を供給して、余れば電力会社に売ることもできます。

沖縄は水不足になりやすいので、渇水対策として陸屋根の上に貯水タンクを設置している家屋も多いようです。

掃除が簡単

屋根が平らなので、掃除や補修工事をしやすいメリットもあります。階段を取り付ければ、修理などで足場を組む必要がなく工事の費用を抑えられます。維持費用を安く抑えらるのは大きなメリットでしょう。

風の影響を受けにくい

沖縄は台風が多い場所で、海に囲まれていることから強い海風が吹いています。そうなると、少しでも風の影響を受けたくないと思うものです。三角屋根よりも低い陸屋根は、風の影響を受けにくいので台風対策におすすめです。

陸屋根のデメリット

魅力的な陸屋根ですが、メリットばかりではなくデメリットもあります。

雨漏りする可能性が高い

陸屋根は、傾斜がほとんどないので、水捌けが悪いことです。なので、雨が降ると、雨水が流れにくく雨漏りのリスクが高くなります。これは大きなデメリットと言えます。ですが、防水処理をすれば心配ありません。防水加工は、アスファルト防水、シート防水、塗膜防水の主に3種類です。一般的には、塗膜防水が多いようですね。

室温が高くなる

陸屋根には屋根裏がないので、屋根の熱が直接室内にこもりやすいというデメリットもあります。陸屋根を緑化したり、断熱材や断熱塗装を施したりと断熱の工夫が必要です。

ロフトの設置ができない

収納場所に屋根裏を使っている人も多いと思いますが、陸屋根にはロフトがありません。ですが、収納場所が別にある場合やロフトがなくても困らない人はそれほど気にすることはありませんね。

まとめ

今回は、陸屋根について紹介しましたが、いかがでしたか。沖縄に陸屋根が多い理由や、陸屋根のメリットとデメリットなど知らなかった人も多いのではないでしょうか。

陸屋根には、雨漏りや室温が高くなりやすい特徴もありますが、防水加工や断熱塗装を自分でするのはとても大変です。

もし陸屋根のメンテナンスを考えている方は、ぜひ一度当社にご相談ください。