家を建ててから長くなり、床板に傷がたくさんついてしまっていませんか?日当たりのよい場所だけ日に焼けて色が変わってしまっている、あるいは雨が吹き込んでシミになってしまっている場合もあるでしょう。
この記事では、そろそろ床板を張り替えたいなと思っている方に、床を張り替える2つの工法と、それぞれの特徴をご紹介します。
今の床板をはがして新しい床材を張る「張り替え工法」の特徴
最初にご紹介するのは、今張ってある床板をはがしてから新しい床板を張り直す「張り替え工法」です。
張り替え工法は、床材をはがしたときに床を支える下地となっている根太(ねだ)の状態などを確認できる利点があります。古くなった家では下地が傷んでいる、あるいはシロアリの被害が出ている場合もあるため、工事のときに様子が確認できるのは安心ですね。
特に床の上を歩くときに沈む感じがしたり、きしむような音がしたりするような場合には、下地に何らかの問題があると考えて、張り替え工法を検討するのがよいでしょう。
しかし張り替え工法は難易度が高く、床をはがすときに下地を傷つける場合もあります。その場合には、下地からやり直さなければなりません。
床張り工法は、家のメンテナンスという点では優れていますが、今ある床をはがす工事に時間がかかり、費用が高くなりがちなのが特徴です。
今の床の上に新しい床板を張る「重ね張り工法」の特徴
もうひとつの工法は、今ある床の上に新しい床板を張っていく「重ね張り工法」です。
「重ね張り工法」は、今張ってある床板をはがす必要がなく、工事に手間も時間もかからないため、「張り替え工法」よりも安く張り替えができるメリットがあります。床の色あせや傷は気になるけれども、歩いても床が沈む感じなどが特になく、下地に問題がないと思われる場合には「重ね張り工法」を選んでもよいでしょう。
しかし今張っている床板の上に重ねて張るため、重ねた板の厚みのぶんだけ床が高くなってしまい、ドアが開かなくなってしまうことも考えられます。通常の床材の厚さは12mmのものが一般的なため、ドアの下にそれだけのすき間がなければ、薄い床材を選ぶ、またはドアの下部分をカットするなどの工夫が必要になるでしょう。
また通常床と壁の接点には、「巾木(はばき)」と呼ばれる10cmほどの高さの板が取りつけられていて、床材の端の部分を隠すようになっていますが、「重ね張り工法」では床材の端を巾木の下に隠せません。床材の端が巾木につき合わせる形になってしまうため、床と壁の間にすき間がすいてしまううえ、巾木の高さが床材の高さぶんだけ低くなってしまいます。
あらかじめ巾木も取り外して床材を重ね張りすることもできますが、その場合には巾木を外すときに壁を傷つけてしまう恐れがあります。また巾木を外したり取りつけたりする工事費用も、新たに発生することになるでしょう。
まとめ
床板を新しく張り替えるときの、2つの工法とそれぞれの特徴をご紹介しました。床の傷み具合や下地に問題がありそうか、また予算も考慮して、どちらの工法で工事をするのかを選ぶのがおすすめです。
床は家の中でも壁や天井と同じく広い面積を占めているため、家の雰囲気を大きく左右する要素です。一般的な複合材の床材の寿命は10〜15年と言われていますので、この時期を目安にリフォームを検討するようにしてみてくださいね!