ふすまにも種類がある?ふすまの種類と特徴

畳の部屋は、ふすまや障子などの建具(たてぐ)で他の空間と仕切られています。

どちらも骨組みに紙が貼られた建具ですが、障子は片面にしか紙が貼られておらず、光が透けて明かりが入る一方、ふすまは両面に紙が貼られていて反対側が透けて見えないことが特徴です。

今回はふたつの間仕切り建具のうち、ふすまの種類をご紹介します。

本ふすま(組子ふすま)の特徴

あまり知られていませんが、ふすまは大きく分けて2種類があります。

最初にご紹介する「本ふすま」は伝統的なふすまで、障子などにも使われる組子(細い木を組んだ枠)の上に、和紙を何重にも重ね張りして作られています。一般的に本ふすまは、一番上に貼る「本紙」までの間に7枚の和紙が貼られていますが、下張りの数はふすまの質によって異なることが特徴です。

また枠が外せるようになっているため、傷みが激しくなければ枠を外して何度でも張り替えられます。和紙でできているため、通気性に優れていて、反りにも強いことがポイントです。

しかしこれだけ何枚もの和紙を貼って1枚のふすまを作るのは、大変な手間とコストがかかるため、本ふすまは高価です。そのため組子の強度を保ちつつ、手間とコストを下げるために、和紙の代わりにベニヤ板を貼って作るふすまが誕生しました。それが次にご紹介する「戸ふすま」です。

戸ふすまの特徴

戸ふすまは和紙の代わりにベニヤ板を芯にしているため、本ふすまと違って物をぶつけてしまっても、破れてしまうことがあまりありません。しかし板を使うため、重量があることが難点です。そこで近年では、ベニヤ板の代わりに発泡プラスチックや段ボールを使った戸ふすまが作られるようになり、主流になってきています。

発泡プラスチックや段ボールを使った戸ふすまは、軽いうえに大量生産できるため、本ふすまやベニヤ板の戸ふすまと比べると安価なのも魅力です。しかし耐久性には劣るため、ふすま紙を貼り替えるときにもていねいに扱う必要があります。

また戸ふすまは、フチが接着されているため本ふすまと違って外せなくなっているのも特徴です。そのため戸ふすまを貼り替えるときには、フチを外さずにそのまま上から貼り、フチをきれいに裁断して仕上げます。

まとめ

本ふすまと戸ふすまを見分けるときには、軽くノックするように叩いてみて、音がするときには戸ふすまと考えてよいでしょう。

ふすま紙が色あせていて貼り替えたい、あるいは強く物が当たってふすまが反ってしまっているような場合には、私たち辰技研までご相談してくださいね。