日本では、家の中では靴を脱いで過ごすため、玄関と家の床に段差があることが特徴です。ご自宅の玄関を思い浮かべても、庭から玄関までのアプローチがすでに階段状になっていて、そこからされに上がりかまちがあって…となってはいませんか?
玄関に段差が多いと、若いうちは問題なくても、高齢になると不便で住みにくくなってしまいます。今回は、高齢者でもスムーズに出入りできる玄関にするための、バリアフリーリフォームを3つ紹介します。
門から玄関までのアプローチにスロープを設置
門から玄関までのアプローチに段差がある場合には、コンクリート製のスロープを設置しましょう。ただし、玄関スロープは、勾配が急だとかえって危険がともないます。
車イスで自走するなら、スロープの角度は5度以下が望ましいとされていますが、30cmの高さだと360cmの長さが必要です。介助者がつくのであれば、角度を10度にして半分の180cmにしても問題ありません。まっすぐスロープをつけられないなら、家の壁に沿わせるなど、工夫できないか検討しましょう。
上がりかまちには踏み台を置く
玄関から靴を脱いで家に上がるところには、「上がりかまち」が取り付けられているケースも多いでしょう。上がりかまちとは、靴を脱ぎ履きするときに、椅子の代わりに座るためのスペースとして設けられています。
古い家では、上がりかまちの高さが30cmあるようなケースも少なくありません。そのような玄関には、階段状になるように、2〜3段の踏み台を設置するのがおすすめです。
手すりを取り付ける
玄関の上がりかまち部分に手すりを設置すると、上り下りするときや靴を履いて立ち上がるときなどに、バランスを崩さずにすみます。
手すりには、壁に直接取り付けるタイプと、壁がなくても使える床に取り付けるタイプの2種類があります。どちらを取り付ける場合でも、体重がかかったときに外れてしまうことがないように、粘着などに頼ることなくしっかりとビス留めすることが重要です。
まとめ
普段意識していませんが、門から玄関をくぐり、靴を脱いで家に上がるまでには、実に多くの段差があります。玄関をバリアフリー対応するときには、この段差をいかに解消するかを考えましょう。
また、スロープをつけたり、踏み台などを置いたりしても、身体を支えられなければバランスを崩して転倒する可能性があります。段差解消のバリアフリーの工事をするときには、あわせて手すりも設置するのがおすすめです。